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p139 宇田雄一著「古典物理学」
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【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」原因という言葉の定義を作るために、まず原因という言葉について私たちが既に知っていることを整理してみる。自分の手元に一つのスイッチがあり、少し離れたところに一つの電球があるものとしよう。最初スイッチはON(入)になっており、電球は点灯状態にあるものとする。もし、スイッチをON(入)からOFF(切)へ切り替えたときに電球が点灯状態から消灯状態に移ったならば、そしてスイッチを何度切り替えてもそれに合わせて電球が点滅するならば、最初電球が点灯状態にあったことの原因として、スイッチがONになっていたことを挙げて良いだろう。基本的には、この考え方に沿って原因という語を定義したいのだが、その前にもう少し考えておかなくてはいけないことがある。自分の手元にあるスイッチの他に、隣の部屋にもスイッチがある場合を考えよう。前者をAとし、後者をBとする。さっきは、Bの存在に気付かず、Aの切り替えに合わせて電球が点滅するのを見て、いい気になっていたが、その間にBを誰かがいじったりはしていないだろうか。スイッチAを切り替えているときに、それに合わせて誰かがBを切り替えていたとしたら、電球の点滅はBの切り替えによるのであって、Aとは全く関係ないという事だってあり得る。従って、Aを切り替えてAと電球の関係を調べるためには、まずその前にBのようなスイッチが他に無いかどうかを良く確認しておく必要がある。もしそのようなスイッチが見つかったなら、Aを切り替えて電球を点滅させている間ずっと、それらのスイッチに誰も近付かないように見張っておかなくてはいけない。中学校で習う対照実験を思い出してほしい。植物に光合成をさせるためには、その植物に光を当てる必要があることを、実験によって確かめるべく、同じ植物を二つ用意し、一方には光を当て、他方には光を当てず、その他の条件を全く同じにして二つを比較するのだった。その他の条件を全く同じにすることが、すなわち、Bのようなスイッチに誰も近付けないことに相当する。数学における偏微分という演算(§1-3)も、これとよく似た考え方に基づく。さて、以上のことに留意しさえすれば、原因という語の定義も簡単に作れるかというと、そうは行かない。問題は、もう少し現実に近い模型を考えたときに、認識され易くなる。たくさんのスイッチの付いたパネルと一つの電球を備えた装置を考えよう。一つ一つのスイッチのON-OFF状況は、一つの事象を表し、全体としてのスイッチのON-OFFパターンは、一つの歴史を表すものとする。スイッチのON
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