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p159 宇田雄一「古典物理学」
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【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」局所性を視覚的にイメージするには、時空を無数の小領域で覆い尽くした状況を思い浮かべるのが良い。隣り合う小領域は少しずつ重なり合っており一つ一つの小領域は無限に小さい、という極限を考える。すると、大雑把に言って局所性とは、自然全体についての物理法則を、小領域内での物理法則にまで分解して記述できる、という意味だ。絵のコンクールに例えてみると、もっと分かり易いかもしれない。落選か入選かを決定する非常に厳格なルールを持つ、絵のコンクールを考えよう。落選か入選かを決定するのは、記憶力の全くない審判員で、その人は穴の開いた紙を絵の上へ密着させて絵を検査するものとする。穴は半径εセンチ・メートルの円盤状の穴で、審判員はその穴を通してのみ絵を見ることが出来るものとする。紙を絵に密着させたまま、絵の上で紙を滑らせれば、絵の色々な部分を調べることが出来るが、審判員は記憶力を持たないので、穴から見えたものを頭の中でつなぎ合わせて考えることは出来ない。εがいくら小さくてもこの方法で判定できるならばルールは局所的だ。もし、絵の全体の面積の二分の一以上を赤色で塗ってはいけないと言うのがルールだったならば、εが非常に小さい場合には、この方法では判定できないので、そのようなルールは局所的でないというわけだ。おおよそにおいて、運動方程式が微分方程式や偏微分方程式で書かれていれば、その理論は局所性を持つと考えて良いが、そうでないものも§2-2-2の具体例の中にはある。近接作用という語がある。近接作用の理論とは、物体に働く力が、その物体に接しているもののみから及ぼされるとする理論のことだ。先に定義した局所性の概念は、近接作用の概念の一般化ないし厳密化だと言える。近接作用をもう少し詳しく説明すると、荷電質点どうしが直接的に力を及ぼし合うのではなく、まず荷電質点が電磁場に力を及ぼし、その電磁場が別の荷電質点に力を及ぼすということだ。無線の送信と受信がその良い例だ。まず送信アンテナ内の電子が電磁場に力を及ぼし、その影響は電磁波の形で伝わって行き、受信アンテナ内の電子が電磁場から力を受けるというわけだ。電磁場が荷電質点に接触しているとか、荷電質点が電磁場に力を及ぼすという言い方を普通はしないが、近接作用という語はこのようなニュアンスを含むのだと思っていただきたい。ある時空点での電磁場の値と直接的な因果関係を持つのは、その時空点の無限小近傍内の時空点での電
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