【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」磁場の値のみであって、有限の隔たりを持つ二つの時空点での電磁場の値は、仮に因果関係を持っていたとしても、その因果関係を無限に近い時空点での電磁場の値どうしの因果関係にまで分解して言い表すことが出来るが、これも近接作用という語の含意だ。近接作用の反対語は遠隔作用だ。万有引力は典型的な遠隔作用だ。月は地球と接触していないのに地球から万有引力を受けるとされるからだ。一般相対性理論においては、万有引力の法則が否定されるばかりでなく、物体が万有引力を受けるという考え方そのものが不適切なものと見なされる。結局、遠隔作用というものは何処にも無いだろうという意見が、今では主流になっている。普段よく使われるリモコンという言葉は、リモート・コントロール(遠隔操作)の略語だが、これとて遠隔作用の実在を意味するわけではなく、電波,超音波,赤外線のいずれを利用するにしろ、前述した無線の送受信の場合と似たり寄ったりのことが起こっているに過ぎない。近接作用か遠隔作用かという問題は、物を見るのかそれとも物から来る光を見るのか、という問いに端的に現れている。§2-1-4を参照して下さい。この問いに対する答えは、論理的には決まらない。たとえば、§2-2-2のT25(S,U,I,J)は局所場理論だが、T22(E;S,U,I,J)に以下の変更を施して得られる理論は局所性を持たない場形式の理論だ。変更点:[9]空欄。[10]空欄。[12]空欄。[15](S,I,J)はローレンツ系だ。[16]空欄。[17]空欄。[23]空欄。[26]空欄。[29]空欄。[30]空欄。[38]∀f∈F;[次式をL(f)と略記する。∃g∈F24;g(N22)=f
and e25(g)][41]空欄。この理論をT22(S,I,J)と呼ぶことにする。T25とT22とどちらが正しくどちらが間違っているのかは、電磁場が客観的な事象なのか、それとも学問上の虚構なのかによって決まる。この問題に対する論理的な決着は期待できず、どちらを選ぶかは好みの問題だとすら言える。T22を作るときのアイデアは、T25における電磁場を媒介変数のようなものと見なして、それを消去することだ。T22においては質点どうしが直接、力を及ぼし合うと解釈するのが素直だろう。遠隔作用を否定することと作用の伝達速度の有限性とが、次第に区別されなくなりつつあ
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