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p276 宇田雄一「古典物理学」
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【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」定理Bの内容を説明するには、アインシュタインが考えた有名なエレベーターの話を引用するのがよい。自由落下するエレベーターの中にいる人は、エレベーターが自由落下しているのか、それとも、エレベーターは静止していて外に重力の源となる天体が存在しないのかを区別できない。これは、自由落下するエレベーター内でいかなる電気力学上の実験をしても特殊相対論的電気力学との食い違いは見られないと言うことだ。これが、定理Bのおおよその内容だ。すべての時空点についてこれを確かめれば、T6を確かめたことになる。エレベーターに窓があれば、窓から外を見てエレベーターが自由落下しているのかそれとも重力の源となる天体が存在しないのかを知ることが出来るし、窓がなくても、外から来る電波や放射線よりそれが分かることもあるだろうが、ここで区別できないというのは、そういうものによっても区別できないと言うことではない。地球上に静止したエレベーターの室内では、重力の影響で、電気力学上の実験結果は特殊相対論的電気力学と食い違う。エレベーターが十分に小さければ、どの時空点についても、そこを自由落下しながら通過するエレベーターの室内で、通過時に特殊相対論的電気力学が妥当する。この状況は等価原理と呼ばれる。Z(N3)=0のときe1(f,Z,M,m)の真偽がm(1)に無関係となることを指して、重力質量は慣性質量に一致する、と言われることがある。アインシュタインは、重力質量と慣性質量の一致に気付くことから出発して、等価原理に到達したと言われている。「エレベーターの室内で」というのをもう少し正確に言うと、「エレベーターの室内に固定された測定器を用いると」ということだ。等価原理は、狭い時空領域内では重力が見かけの力であることを意味する。しかし、重力の源となる天体が存在する場合には、大きな時空領域にわたって特殊相対論的電気力学に一致する結果を得るような、測定器の単一の設置の仕方というものは存在しない。この状況を指して、時空は曲がっている、と言うことがある。これは、様々な投影法を用いて描かれた平面世界地図において、どの地点でも良い一カ所の小近傍だけなら、形と大きさを実物にほぼ一致させることが出来るが、地球表面の大部分にわたって形も大きさも正しくかつ連続性を保ったまま平面上に写し取ることは出来ない、という事情に似ている。
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