【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」3-2-2時空の位相幾何学(トポロジー)円周を考えてみよう。{θ|0≦θ<360}から円周の上への一対一写像が存在する。例えば右図の写像Sがそれだ。S(θ),θ,S(0),0,360,Sの逆写像S-1はS(0)で不連続になっている。すなわち、円周上の点Pを上からS(0)に近づけたときと下からS(0)に近づけたときとで、S-1(P)の極限値が異なる。前者は0、後者は360となる。360度よりも小さい中心角に対応する弧については、Rの部分集合からその弧の上への一対一かつ連続な写像が存在し、その逆写像もまた連続に出来る。だから、小さな時空領域に連続な時空座標系を導入でき、その定義域がN01の部分集合だからと言って、N01を定義域にもつ単一の連続な時空座標系で時空間を覆うことが出来る、と先験的に決めつけることは出来ない。この点については、T8とT9は内容的にも異なっている。円周の場合に戻ると、一対一であることを犠牲にすれば、上へのかつ逆写像も含めて連続に出来る。右図のような感じだ。450,360,0,S2(0),S2(270),S1(270),S1(0)しかし、連続かつ上へのかつ一対一とは出来ない。{θ|0<θ<270}を定義域に持ち逆写像も含めて連続な二つの一対一写像を使って、円周がそれらの値域の和集合になるように出来る。右図のような二つの写像S1,S2を使えばよい。球の表面についても、R(2)の部分集合から球の表面の上への一対一かつ逆写像も含めて連続な写像は存在しない。このことは、様々な図法で描かれた世界地図によく現れている。地球の表面に縁や切れ目はないが、平面世界地図にはどうしても縁や切れ目が出来てしまう。{ξ∈R(2)||ξ|<ε}の形の定義域を持つ一対一かつ逆写像も含めて連続な写像を複数個使えば、球の表面がそれらの値域の和集合になるように出
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