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p67 宇田雄一「古典物理学」
このページの上端へ行く ホーム 前のページ 次のページ 宇田雄一について
【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」以上の命題が全て真ならば、Sは(F,G,H)の下で実数体を成す、と言う。「体」「全順序集合」「ゼロ元」の説明は省略する。実数の公理の中で最も重要なのが公理3で、デデキントの切断公理と呼ばれる。Sが(F,G,H)の下で実数体を成し、S,F,G,Hが何か了解済みのときには、Sの元を実数と呼び、∀x,y:実数;F(x,y)をx+y,G(x,y)をx×y,H(x,y)をx≦yと書くことがある。Sとして{x∈10(N)|x(1)≦2and not∀n∈N;x(n)=1}を選び、F,G,Hに代入する語を上手く選べば、Sが(F,G,H)の下で実数体を成すであろう事は想像に難くない。実数という抽象的な数があるのではなく、Nから組み立てられた具体概念の中で実数の公理を満たすものの全てを、総称して実数と呼んでいるに過ぎないことが分かった。このように、数学における全ての抽象概念は、Nから組み立てられた具体概念の内で、特定の公理を満たすものの総称になっている。だから、数学上の抽象的な問題が一つ解決されると、たくさんの具体的な問題が一度にまとめて解決されたことになる。これが抽象数学の公理主義的展開の本質だ。数学の研究は公理を置くこと、公理の解を探すこと、公理から定理を導き出すこと、これら3つから成ると言えよう。このうちで、定理を導き出す部分は、例えば、pを公理とするとき、「∀x;p(x)⇒・・・」という形の文の中で真命題を表すものを探す研究だ。公理の解がたくさん見つかれば見つかるほど、定理を導き出す研究が生きてくる。また、そのような公理を置くことが、数学者の想像力や先見の明を表す。解の存在しない公理は無価値だ。数学の公理は、数学においてだけでなく、数学以外の分野への数学の応用、特に物理学への数学の応用においても意味を持つ。数学がもし、Nから組み立てられた具体的な問題とその解決の羅列として述べられていたなら、それを数学以外の分野で役立てることは、ほとんど不可能だろう。将棋の棋譜と同じになってしまう。数学以外の分野に数学を応用したい者にとって、数学の公理は、数学という大きな書物の索引として機能する。索引がなければ、何処を読んで良いのか分からない。長さや広さや時間を数学的に扱おうとする者にとっては、実数の公理が、
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