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p82 宇田雄一「古典物理学」
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【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」『‘状態’ということばは、体系を整えた後のある特定の時刻の状態をさして用いることもあり、また体系を整えた後の時間全部を通じての状態をさして用いることもある。』ディラック量子力学15ページより。ディラックは、記号的な方法が座標を用いる方法よりも優れていると述べているが、本書では座標を用いる方法で記述を進める。古典物理学の理論についても、記号的な方法というものを考えることが出来る。ヴェクトル記法や、もっと進んで微分形式と言われるものがそれだ。微分形式と言っても単に微分演算を使った形式という意味ではない。微分形式というのは、微分幾何学と呼ばれる数学の分野の専門用語だ。しかし、自然のマッハ模型は何でも、記号的な方法で書かれた物理理論に書き直すことが出来るかというと、そんな保証はどこにもない。また、記号的な方法は、一つ一つの物理理論の個性に大きく依存している。だから記号的な方法は、一般的にという本書の方針に反する。特に複数の物理理論を共通の鋳型に押し込もうとする本章の目的にはそぐわない。さらに、記号的な方法は座標を用いる方法よりも抽象的だ。これも、具体的に(§1-5)という本書の方針に反する。記号的な方法も、その基礎付けを考えようとすれば、不可避的に座標を用いる方法に行き着く。§4-5では、座標系自体についての興味も追究する。
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