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p81 宇田雄一「古典物理学」
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【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」自然について何かはっきりした描像を持つことが出来たと感じる程度にこの描像は具体的だ。ピタゴラスのように「万物は数なり」と言っただけでは、十分に一般的であっても具体性に欠けているので、自然について、はっきりした描像を持つことが出来たというところまで行っていない。m個の方程式を満足するn個の量という描像を本書の言葉で述べると、それは自然のマッハ模型だ。マッハ以前にすでに機械論的自然観というものが生じていたのに、マッハ模型という言葉を使うのは不適当だと感じる読者がおられるかとも思うが、マッハの描像の具体性を買って、本書ではそう呼ぶことにする。大雑把に言って、mに当たるのはN'の元の個数であり、nに当たるのはNの元の個数だ。ただし、「m=nならば自然は一定不変である」という文から分かるように、n個の量によって歴史ではなく、歴史の各瞬間が表されるとマッハは考えていたようだ。比喩として述べられたことではあるが、この点においてもマッハは誤っている。これに対して、本書の自然のマッハ模型の定義では、その点が改善されている。歴史を数の組で表す方法が、現代物理学において経路積分の技法として頻繁に用いられる。また量子力学では、波動関数を状態の座標と見なすことが出来る。これに倣って、h=M(f)のときにfを「hの座標」と見なすことにする。中学校の数学で点のx座標,y座標を考えたように、f(i)をhのi座標と考える。このことが、Mを座標系と呼ぶことにした理由だ。ただし、「波動関数を状態の座標と見なす」という文においては、状態という語は各瞬間の状態を指して用いられている。ディラックは次のように言っている。『・・・・・その一つは記号的な方法であって、基本的に大切な量(変換に対して不変な量など)を直接に抽象的なやり方で取り扱うものであり、他方は座標すなわち表示を用いる方法であって、これらの基本的な量に対応する数の組を取り扱うものである。・・・・・しかしながら、記号的な方法の方が物事の本当の性質にいっそう深く立ち入っているように思われる。・・・・・』ディラック著朝永振一郎ほか訳岩波書店「量子力学」原書第四版「第一版のまえがきから」より。
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