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p130 宇田雄一「古典物理学」
このページの上端へ行く ホーム 前のページ 次のページ 宇田雄一について
【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」このことは、e4(□,m)やe5(□,m)の解を求めるときに、簡単な解を足し合わせて複雑な解を作ることが出来ないことを意味する。ここで再び鉛筆について考えてみよう。もし鉛筆以外の物体を作る質点の運動が、鉛筆の有無によって影響を受けないならば、鉛筆が在るか無いかによって生じる、目の位置での電磁場の値の差は、鉛筆の作る電磁場に等しい。しかし厳密には、命題DEが偽であることの反映として、鉛筆の有無によって周囲の物体を作る質点の運動は変化する。このことは近くに鏡が置いてある場合に端的に現れる。このときには、実物の鉛筆のほかに、鏡に映った鉛筆の像も見えるはずだが、これは、鉛筆の有無によって鏡が作る電磁場が異なることを意味する。従って、鉛筆の有無によって鏡を作っている質点の運動は変化していることになる。このときには、鉛筆が在るか無いかによって生じる、目の位置での電磁場の値の差は、鉛筆の作る電磁場の値に等しくないことは明らかだ。電磁場を鏡が作ると言うと不思議がる読者もおられよう。光は鏡から出ているのではなく、もともとは太陽や照明器具から出ているのであって、鏡はそれを反射しているだけだと考えるのが普通だろう。しかし、反射するということと電磁場を作るということとは矛盾するわけではない。鏡を作る質点は、やってきた光に合わせてカメレオンのように運動状態を変え、やって来た光を正確に真似た電磁場を作って送り返す。これが反射だ。反射することは、電磁場を作ることの特別な場合にすぎないのだ。散乱にしても同様だ。鉛筆に光が当たると、鉛筆を作る質点の運動に変化が生じ、当てられた光に応じた電磁場を作るようになる。ただし散乱の場合には反射の場合と違って、やって来た光を正確に真似ることをしない。しかしともかく、散乱することも電磁場を作ることの特別な場合であるわけだ。さて今度は、目の位置の電磁場の値が、鉛筆の作る電磁場とその他の電磁場の重ね合わせであるのに、なぜ、鉛筆のない場合には見えていた風景が、鉛筆のある場合には、鉛筆の向こう側の部分だけが見えなくなるのかという問題を考えてみよう。鉛筆の向こう側から来た光と鉛筆の作る電磁場は、鉛筆のこちら側の至る所で正確に打ち消しあっているから、というのがその答えだ。鉛筆の向こう側から来る光が変化すれば、鉛筆を作る質点はそれに合わせて、カメレオンのように運動状態を変え、打ち消し合いの正確さを保ち続ける。これはすべての不透明な物体に共通することだ。このことを知った上で、鉛筆の有無が周囲の質点の運動に影響を与えるかという問いを振り返ってみると、
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