【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」マッハの原理,なめらかで水平な机の上に、二つのパチンコ玉をバネで連結して置く。机はなめらかなので、パチンコ玉は机から摩擦力を受けない。下図のごとき四つの歴史を考えてみよう。ABCD,Aは、バネがもとの長さのまま、二つのパチンコ玉が一定の角速度で回転し続けるという歴史。Bは、バネが少し伸びた状態でパチンコ玉が回転し続けるという歴史。Cは、バネがもとの長さのままパチンコ玉は静止し続け、その他いっさいの物(机をはじめ遠方の恒星に至るまで)が回転し続ける歴史。Dは、バネが伸びた状態でパチンコ玉が静止し続け、その他いっさいの物が回転し続ける歴史だ。Aにおける自然の部分相互間の相対的関係と、Cにおける自然の部分相互間の相対的関係とは等しく、BとDについても同じ事が言える。Aは不可能、Bは可能だという事が日常経験から分かる。相対性原理を認めればAとC、BとDは同一の歴史なのだから、Cは不可能、Dは可能となるはずだ。マッハは、このように主張した。ここに用いられている意味での相対性原理をマッハの原理と言う。T5もT4もT2もマッハの原理に反する。アインシュタインは、マッハの原理を積極的に支持する理論を作ろうとして、T8にたどり着いたと言われる。T8が実際にマッハの原理を具現していることは簡単に分かるので、以下にそれを説明する。A,B,C,Dのうちの質点部分の歴史だけを取り出して考えると、Aについて質点部分の歴史はh2(P1,・・・,Pn;y;S)、Bではh2(P1,・・・,Pn;z;S)、Cではh2(P1,・・・,Pn;y;S・x-1)、Dではh2(P1,・・・,Pn;z;S・x-1)という風に書けるはずだ。ただし、x∈N01(N01)とする。AとC、BとDが、同じxによって関係付けられているところが肝心だ。T8においては、∀f∈F+6,n(x)∪F-6,n(x);L(f)⇔L([V6,n(x,1,1,1)](f))だから、[(Aが可能)⇔(Cが可能)]and[(Bが可能)⇔(Dが可能)]
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