【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」しのときには、and or⇒よりもnotを先に演算する。or⇒よりもandを先に演算する。⇒よりもorを先に演算する。例えば、p or not q and r⇒sは(p or((not q)and r))⇒sを意味する。ただし、これは文字式だ。空欄p,q,r,sに、あらゆる命題を代入するものとして読んで下さい。算数で1+2+3+4や1×2×3×4の演算結果は、括弧の付け方に依らず同じになるのだった。(((1+2)+3)+4)=(1+2)+(3+4)=(1+(2+3))+4=1+((2+3)+4),(((1×2)×3)×4)=(1×2)×(3×4)=(1×(2×3))×4=1×((2×3)×4)論理演算でもand orについては同様のことが言える。だから、括弧無しでp and q and r and sとかp or q or r or sなどと書いても混乱は起きない。×や+やandやorの、この性質を結合則と呼ぶ。しかし⇒については少し事情が違う。(0=1⇒1=1)⇒0=1は偽だが、0=1⇒(1=1⇒0=1)は真となり、括弧の付け方によって意味が変わって来ることが分かる。読み易くするために、(1×(2+3)+4)×5を[1×(2+3)+4]×5と書くなどすることがある。括弧には()と[]の他にも{}があるが、これは集合を表すために用いられる(§1-1-3)ので、本書では演算順序の指定に{}を用いないことにした。そのかわり[]を用いることがある。文字式の使用が、単に繰り返しの手間を省くためだけではなく、本質的に重要な意味を持つ場合がある。論理演算の記号の定義もそうだが、この他に例えば、「文字式(x+y)2=x2+2xy+y2の空欄x,yにどんな実数を代入しても、それによって出来上がった式は真命題を表す」この文によって表されるのと全く同じ事を、文字式を使わずに完成された数式だけで表すことが出来るだろうか、(1+2)2=12+2×1×2+22は真だand(1+(-2))2=12+2×1×(-2)+22は真だand(√3+5)2=√32+2×√3×5+52は真だ |