【SEOテキスト】宇田雄一「古典物理学」BTではMが、FからHの上への写像の一つとして、具体的に他の語から定義されているか、または、MはTの基礎未定義語となっており、TではMが、FからHの上への写像の一つとして扱われている。だからH={M(f)|f∈F}CFは数学上の集合の一つとして、T内で具体的に他の語から定義されており、その定義より、∀f∈F;(fは数学上の写像であり、fの値域はRの部分集合だ)と分かる。DLは、F上の方程式として、T内で具体的に他の語から定義されている。ETは、∀f∈F;[M(f)が可能だ]⇔L(f)という経験文を含む。Mを「Tの座標系」、Lを「Tの運動方程式」と呼ぶことにする。Eの経験文を「Tの(物理)法則」と呼ぶ。自然の準マッハ模型,自然の任意の数学的古典理論Tに対して、TがNという数学用語を固有名詞として用い、Nが数学上の集合の一つとして、T内で具体的に他の語から定義されており、かつF⊂R(N)ならば、Tを自然の準マッハ模型と言うことにする。Nの元を物理量の名前と見なせば、歴史は、Nのすべての元に対して、それを名前に持つ物理量の値がどうであるかを言い表した文だと言える。M(f)は、∀i∈N;[iという名前をもつ物理量の値がf(i)である]ことを意味するのだと解釈するわけだ。3センチ・メートルは物理量だが、3を物理量とは言わないから、f(i)を物理量と呼ぶことは、物理量という語の正しい用法に反しているが、話を分かり易くするために、ここでは、あえてそういう言い方をした。本書では単位を無視するという意味ではない。単位として何を選ぶか(センチ・メートルかメートルか、など)は、本書の言い方では、Mとして何を選ぶかに相当する。§2-3-2の表2-4参照。
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